シン・プロビジョニング
利用者へ論理的な容量を提示し、データが書き込まれるなど実際に必要になった時点で、物理領域を割り当てる方式。提示した容量と実消費を分けて管理し、未使用の領域の先取りを抑える。
イマシルちゃんの解説
みんなに大きめのロッカーを予約してもらう場面を考えてみよう。
最初から全部の棚を作る代わりに、荷物が増えた分だけ棚を用意するんだ。
空の棚をたくさん抱えずに済むけれど、材料が無限にあるわけではないよ。
予約の数だけを見て安心せず、実際に使う場所が足りるか確かめる必要があるんだ。
より深い解説
見せる容量と使う容量
利用者やOSへ見せる論理的な領域を、仮想ボリュームとして提供する。裏側では、複数の物理ディスクなどをまとめたストレージプールから、必要な単位で領域を確保する。
| 容量 | 意味 |
|---|---|
| 論理容量 | 利用者側へ使えるものとして提示する大きさ |
| 物理使用量 | 実際に確保・消費している領域 |
| 空き容量 | これから割当てに使える領域 |
物理領域を最初に全量確保する方式は、一般にシックプロビジョニングと呼ばれる。シン方式では、利用が少ない段階の資源の先取りを抑えられる。
領域を使う流れ
- 管理者が、利用者へ論理的な領域を作成する。
- OSやアプリケーションがデータを書き込む。
- 未割当ての場所なら、プールから必要な物理領域を割り当てる。
- 使用量の増加に合わせ、残容量を監視する。
割当ての単位やメタデータの管理は装置によって異なる。利用者が1バイトを書いたら、物理領域も必ず1バイトだけ増えるわけではない。
独自の容量例
物理プールが6TBで、論理容量4TBの領域を二つ提示するとする。合計の提示容量は8TBでも、実際の書込みがそれぞれ1TBなら、データ部分の消費は合計2TB程度から始まる。
ただし、両方が4TB近くまで使えば、元の物理容量だけでは足りない。提示容量の合計が物理容量を超えるオーバーコミットには、拡張や使用制限などの管理が必要になる。
運用上の注意
| 事象 | 注意点 |
|---|---|
| プールが満杯になる | 新規書込みに失敗したり、複数の領域へ影響したりする |
| ファイルを削除する | 物理領域が直ちに戻るとは限らない |
| スナップショットを保持する | 過去のデータを保持する領域も考慮する |
| 容量を追加する | 調達や作業に必要な時間を確保する |
OSから不要な領域を装置へ知らせるUNMAPなどの機能に対応していれば、領域回収に利用できる。ファイルシステムの空き容量と、装置側の空き容量を同一視しない。
ほかの技術との違い
RAIDのミラーリングは複製による耐障害性、パーティション分割は領域の区切り、SANはサーバとストレージの接続形態を扱う。シン方式の中心は容量の割当て時期である。また、圧縮や重複排除によるデータ量の削減とも異なる。