ADSL
電話用の銅線を利用し、送受信の方向で伝送速度が異なる非対称のデータ通信を行う技術。一般に受信側へ広い周波数帯域を割り当て、利用者側から送る方向よりも、受け取る方向の速度を高くする。
イマシルちゃんの解説
道の行き帰りで、通る荷物の量が違う場面を考えてみよう。
荷物が多い向きに道幅を多く割り当てれば、そちらをたくさん通せるよね。
同じ道を使っていても、両方向へ同じだけの場所を分けるとは限らない。
ただ、道が長かったり、周囲が騒がしかったりすると、予定どおり運べないこともあるんだ。
より深い解説
電話用の線でデータを運ぶ
ADSLはDSLの一種で、加入者宅と事業者側の設備との間の銅線を使う。音声通話用とは異なる高い周波数の信号を利用し、データを伝送する。
| 区間・装置 | 役割 |
|---|---|
| 利用者側のモデム | データと回線上の信号を相互に変換する |
| 電話用の銅線 | 通信信号を伝える |
| 事業者側のDSLAM | 多数の加入者回線を収容する |
| スプリッタ | 音声とデータで使う信号を分離する |
モデムが接続していることと、その先のIP通信が利用できることは別である。障害の調査では、回線の同期と、認証・アドレス設定などを分けて確認する。
方向によって速さが異なる理由
| 方向 | 向き | 一般的な設計 |
|---|---|---|
| 上り | 利用者側から事業者側 | 比較的狭い範囲を使う |
| 下り | 事業者側から利用者側 | 比較的広い範囲を使う |
使える周波数帯域が広ければ、同じような条件でより多くの情報を運びやすい。ADSLは両方向の割当てを変えることで、非対称の速度を実現する。セキュリティ検査を行うから上りが遅い、という仕組みではない。
速度と回線品質
| 条件 | 影響 |
|---|---|
| 事業者設備からの距離 | 長くなるほど信号が弱まりやすい |
| 雑音や線同士の干渉 | 利用できる信号品質が低下する |
| 宅内の配線や接続状態 | 同期速度や安定性に影響する |
モデムは、利用できる信号の状態に応じて通信を成立させる。広告上の最大速度と、実際の同期速度、さらに利用者データの実効速度を区別する必要がある。
通信方式と処理の層
ADSLの回線上で、ATMセルを用いる構成があっても、上りと下りの速度差をセルの固定長だけから説明することはできない。回線の信号、データを区切る方式、IPの設定は異なる層の話である。
| 用語 | 着目すること |
|---|---|
| ADSL | 加入者回線での信号の伝送 |
| PPP | 接続相手との設定や認証 |
| IP | アドレスに基づくパケットの転送 |
規格や回線方式によって、使う周波数の範囲や共存条件は異なる。特定の方式の境界周波数を、すべてのADSLへ一律に当てはめないことが大切である。