OFDM

読み:おーえふでぃーえむ / 英語表記:Orthogonal Frequency Division Multiplexing

データ信号を多数のサブキャリア(副搬送波)に分けて並列に送る多重化方式。各サブキャリアを互いに直交させて配置するため、周波数を重ねても干渉しない。無線LANや携帯電話(LTE、5G)、地上デジタル放送で使われる。

イマシルちゃんの解説

1本の太い道路にトラックを1台ずつ走らせるより、
細い道路をたくさん並べて、小さな車をいっせいに走らせたほうが、渋滞や事故に強いよね。

OFDMは、データをたくさんの細い「電波の道(サブキャリア)」に分けて、同時に送る方式なんだ。
しかも、道と道をぎゅっと重ねて並べても、お互いにぶつからない工夫がしてあるから、
電波の帯域をとってもムダなく使えるんだよ!

より深い解説

定義

OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)は、使える周波数帯域を多数の狭い帯域のサブキャリアに分け、高速なデータ列を分割して、各サブキャリアで低速に並列伝送する変調・多重化の方式である。

「直交」の意味

各サブキャリアの周波数は、1シンボルの時間の逆数の整数倍の間隔で並べられている。このように配置すると、あるサブキャリアの信号のピークの周波数で、ほかのすべてのサブキャリアの信号がゼロになる。これを、サブキャリアが互いに直交しているという。

方式サブキャリアの並べ方帯域の使い方
従来のFDM干渉しないように、間に隙間(ガードバンド)を空ける隙間の分だけむだになる
OFDM直交させて、互いのスペクトルを重ねて並べる隙間がなく、効率がよい

主な長所

長所理由
周波数の利用効率が高いサブキャリアを重ねて並べられる
マルチパスに強い1つのサブキャリアの速度が低く、1シンボルの時間が長いため、反射波の遅れの影響を受けにくい。さらに、各シンボルの前にガードインターバルを付けて、遅れて届いた反射波を吸収する
周波数選択性フェージングに強い一部の周波数だけが弱くなっても、影響を受けるのは一部のサブキャリアだけで、誤り訂正で補える
効率的に実装できるサブキャリアへの分割と合成を、高速フーリエ変換(FFT)で一度に計算できる

短所としては、多数の信号を合成するため、瞬間的な送信電力のピークが大きくなりやすい(PAPRが高い)ことや、周波数のずれに弱いことがある。

使われている例

分野例
無線LANIEEE 802.11a/g/n/ac(OFDM)、IEEE 802.11ax(OFDMA)
携帯電話LTE(下りはOFDMA)、5G
放送地上デジタルテレビ放送(ISDB-T)
有線ADSL、電力線通信(PLC)(DMTと呼ばれる同様の方式)

OFDMA

OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)は、OFDMのサブキャリアを、複数の利用者に分けて割り当てる多元接続の方式である。OFDMでは、ある時点のすべてのサブキャリアを1台の端末との通信に使うが、OFDMAでは、サブキャリアのグループ(リソースユニット)ごとに別の端末と同時に通信できる。IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)で採用され、多数の端末が同時に接続する環境での効率を高めている。

ほかの方式との区別

方式内容
OFDM直交する多数のサブキャリアに分けて並列に送る
CDM(符号分割多重)拡散符号で、同じ周波数・同じ時間に複数の信号を重ねる
TDM(時分割多重)時間を区切って、順番に送る
CCKIEEE 802.11bで使われた、符号を使う変調方式(1本の搬送波で送る)

実際の試験ではここに出る!

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