電力線通信
電気を供給する配線を通信回線としても利用する技術。電源用の電気に情報を表す信号を重ね、既設の電力線を使って機器間でデータをやり取りする。
イマシルちゃんの解説
新しい道を作る代わりに、すでにある道で手紙も運べたら便利だよね。
いつもの荷物に、見分けられる目印を付けた手紙を混ぜて運ぶような仕組みなんだ。
ただ、その道は手紙のために作られたものではないよ。
途中の分かれ道や、ほかの荷物の動きによって、届けやすさが変わるんだ。
より深い解説
配線を兼用する仕組み
この方式は、電気機器への給電に使う電力線へ通信用の信号を重ねる。送信側の装置がデータを信号へ変換し、受信側が必要な信号を取り出してデータへ戻す。
給電用の電気と通信信号では、主に使う周波数帯が異なる。結合回路やフィルタなどで両者を扱い分ける。電源プラグのある機器なら、追加の装置なしで通信できるという意味ではない。
| 構成要素 | 役割 |
|---|---|
| 送信側のアダプタ | データを変調し、配線へ送り出す |
| 建物などの既設配線 | 信号が通る伝送路になる |
| 受信側のアダプタ | 信号を復調し、データを取り出す |
LANと接続する製品では、アダプタ間の区間をこの方式で結ぶ。接続先のルータやインターネット回線まで自動的に用意されるわけではない。
性能を左右する条件
| 条件 | 影響 |
|---|---|
| 電気機器が発生するノイズ | 信号の判別を難しくする |
| 配線の長さや分岐 | 信号の減衰や反射に影響する |
| 電源フィルタなど | 通信信号まで弱める場合がある |
| 通信する機器の増加 | 同じ伝送路の容量を分け合う場合がある |
物理的に近いコンセント同士でも、配線経路が短いとは限らない。また、接続する電気機器の動作によって状態が変わる。公称の伝送速度と、利用者のデータが実際に届く速度は区別する必要がある。
ほかの技術との違い
PoEと電力線通信は、どちらも配線を兼用するが出発点が異なる。通信に使う線へ電気を供給するか、電源に使う線へ通信信号を重ねるかを区別する。
利用上の注意
電気配線を使うことだけで、通信内容の秘匿性が保証されるわけではない。機器の認証や暗号化、接続範囲の確認が必要である。採用方式や機器によって互換性も異なるため、同じ略称の製品を混ぜれば必ずつながるとは限らない。
PLCという略称は、工場の制御で使うProgrammable Logic Controllerを指す場合もある。通信の伝送路について述べているのか、制御装置について述べているのかを文脈から判断する。