プライバシセパレータ
同じ無線LANアクセスポイントに接続した端末の端末間通信を制限する機能。来訪者向けのネットワークなどで、ほかの利用者の端末へアクセスされることを防ぐ。
イマシルちゃんの解説
お店の席から、店員さんへ注文はできるとするよ。
でも、隣のお客さんのかばんをのぞいたり、勝手に触ったりはできないようにしたいよね。
同じ場所を使っていても、お客さんどうしのやり取りは仕切るんだ。
お店の入口で入れる人を確かめる仕組みとは、役割が違うんだよ。
より深い解説
どこを制限する機能か
通常の無線LANでは、端末Aから端末Bへ送ったフレームがアクセスポイントで中継される。プライバシセパレータは、このような端末間通信を遮断する機能である。無線の電波を物理的に遮るわけではなく、アクセスポイントなどの転送処理で制限する。
| 通信 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 同じアクセスポイント配下の無線端末どうし | 遮断の対象 |
| 端末からインターネットへの通信 | 必要な接続は維持する |
| 端末から有線LAN側の機器への通信 | 製品・構成によるため別途確認する |
| 異なるアクセスポイント配下の端末どうし | 同じ設定だけで防げると決めつけず確認する |
製品によって名称や適用範囲が異なる。来客から社内サーバへの到達も防ぎたい場合は、VLANやファイアウォールを組み合わせ、許可する通信経路を明示する。
利点と利用への影響
カフェや来客用ネットワークでは、同じ無線LANへ接続した未知の端末からのアクセスを抑えられる。一方、利用者どうしのファイル共有、無線プリンタの利用、機器の自動発見なども動かなくなる場合がある。
必要な共有機器をどこに置くかを決め、例外設定の可否を製品仕様で確認する。制限を解除するだけで解決すると、不要な経路まで開くおそれがある。
端末の識別子による制御との比較
MACアドレスフィルタリングは、端末のMACアドレスを登録し、その値に基づいて接続や通信を許可・拒否する方式である。端末の登録台帳を用いた制御であり、接続済みの端末どうしを分離する機能とは異なる。
MACアドレスは偽装できるため、これだけを強固な本人確認として扱うことはできない。アドレスのランダム化を使う端末では、登録した値と変わることにも注意する。
無線LANの対策を分けて考える
| 対策 | 主に扱うこと |
|---|---|
| プライバシセパレータ | 接続した利用者間の分離 |
| IEEE 802.1X | ネットワーク接続時の認証 |
| WPA2・WPA3 | 無線区間の暗号化や接続の保護 |
| SSIDの非通知 | ネットワーク名を一覧に見せにくくする |
SSIDを知っていることは、接続を許可された本人である証明にはならない。また、端末間通信を制限しても、電波の漏えいや盗聴に対する対策が不要になるわけではない。