VLAN
物理的な接続とは関係なく、スイッチの設定によって、論理的に分割したLAN。1台のスイッチを、複数のブロードキャストドメインに分けられる。
イマシルちゃんの解説
学校の体育館で、ついたてを立てて「1組のエリア」「2組のエリア」に分けるようなものだよ。
同じ1台のスイッチにつながっていても、VLANが違えば、別々のLANとして扱われるんだ。
1組の「みなさーん!」っていう呼びかけ(ブロードキャスト)は、2組には聞こえない。
ケーブルをつなぎ替えなくても、設定だけでネットワークを分けられるのが便利なんだよ!
より深い解説
定義
VLAN(Virtual LAN)は、レイヤ2スイッチの機能により、物理的な配線とは独立して、論理的なLAN(ブロードキャストドメイン)を構成する技術である。VLANが異なる端末同士は、同じスイッチにつながっていても直接通信できず、通信するにはルータやレイヤ3スイッチでルーティングする必要がある。
VLANを使う目的
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| ブロードキャストの抑制 | ブロードキャストが届く範囲を小さくし、不要なトラフィックを減らす |
| セキュリティ | 部署やシステムごとにネットワークを分け、通信を制限する |
| 柔軟な構成 | 席替えや組織の変更に、配線を変えずに設定だけで対応する |
VLANの種類
| 種類 | 所属を決めるもの | 内容 |
|---|---|---|
| ポートVLAN(ポートベースVLAN) | スイッチのポート | ポートごとに所属するVLANを1つ設定する。最も一般的 |
| タグVLAN | フレームに付けたVLANタグ | IEEE 802.1Qで定められたタグをフレームに挿入し、1本のリンクで複数のVLANのフレームを運ぶ |
| MACアドレスベースVLAN | 端末のMACアドレス | 端末をどのポートにつないでも、同じVLANに所属させる |
| 認証VLAN(ダイナミックVLAN) | 認証の結果 | IEEE 802.1Xなどで認証した利用者に応じて、RADIUSサーバが所属VLANを指定する |
アクセスポートとトランクポート
| ポート | 運ぶVLAN | タグ |
|---|---|---|
| アクセスポート | 1つ | 付けない(端末はタグを意識しない) |
| トランクポート | 複数 | IEEE 802.1Qのタグで、どのVLANのフレームかを区別する(ネイティブVLANはタグなし) |
スイッチ同士やスイッチとルータの間をトランクポートでつなぐと、1本のケーブルで複数のVLANの通信をまとめて運べる。
VLAN IDの範囲
IEEE 802.1QのVLAN IDは12ビットで、0~4095の値をとる。0と4095は予約されているため、使えるのは1~4094である。
VLANの情報の自動登録
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| GARP / GVRP | IEEE 802.1Dで定められた、属性(VLANなど)をスイッチ間で登録・伝達する仕組みと、それを使ったVLAN情報の伝達プロトコル。現在はMRP / MVRPに置き換えられている |
| VTP | シスコ社の独自方式。VLANの設定をスイッチ間で同期する |
VLANとスパニングツリー
VLANが複数あるネットワークでも、STPやRSTPでは木が1つしか作れない。複数のVLANをまとめた単位ごとに別の木を作り、リンクを有効に使えるようにしたのがMSTPである。