量子コンピュータ
量子力学の性質(重ね合わせ、量子もつれ)を利用して計算するコンピュータ。汎用的な計算を目指す量子ゲート方式と、膨大な選択肢の中から最適な組合せを探す問題(組合せ最適化問題)に特化した量子アニーリング方式がある。
イマシルちゃんの解説
ふつうのコンピュータは、0か1のどちらかを持つ「ビット」で計算するよね。
量子コンピュータの「量子ビット」は、0と1を同時に持った、ふしぎな状態になれるんだ。
このおかげで、たくさんの可能性を一度に扱えるんだよ。
いろんな問題を解ける万能タイプと、「いちばんいい組合せ探し」が得意な専門タイプの2つがあるんだ!
より深い解説
量子ビット
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| 重ね合わせ | 量子ビットは、0と1を重ね合わせた状態をとれる。n個の量子ビットで、2ⁿ通りの状態を同時に表せる |
| 量子もつれ | 複数の量子ビットが、互いに影響し合う関係になる |
| 観測 | 測定すると、重ね合わせが壊れ、0か1のどちらかに決まる |
2つの方式
| 量子ゲート方式 | 量子アニーリング方式 | |
|---|---|---|
| 計算の方法 | 量子ゲート(量子ビットへの操作)を組み合わせた回路で計算する | 問題をエネルギーの式に置き換え、エネルギーが最も低い状態に落ち着く性質を使って解を探す |
| 得意な問題 | 汎用(素因数分解、量子化学計算、探索など) | 組合せ最適化問題(配送経路、勤務表、部品の配置など) |
| 動作環境 | 極低温などの特殊な環境が必要 | 極低温などの特殊な環境が必要 |
「極低温の環境で、量子ゲートを用いて演算する」のは、量子ゲート方式の説明である。量子アニーリング方式は、膨大な選択肢の中から最適な選択肢を探すことに特化している。
従来のコンピュータとの違い
量子コンピュータは、従来のCPUのように、命令を順に実行して演算・記憶・制御を行う仕組みではない。また、複数のデータに同じ演算を並列に行うのは、従来のコンピュータのSIMDの考え方である。
セキュリティへの影響
大規模な量子ゲート方式のコンピュータが実現すると、Shorのアルゴリズムによって、RSAや楕円曲線暗号などの公開鍵暗号が、現実的な時間で解読されるおそれがある。このため、量子コンピュータでも解読が難しい耐量子計算機暗号(PQC)への移行が進められている。