前方誤り訂正
送信側がデータに誤り訂正用の冗長な情報を加えて送り、受信側が誤りを検出したら、再送を要求せずに自分で誤りを訂正する方式。受信側が再送を要求する方式(ARQ)と対比される。
イマシルちゃんの解説
手紙が途中で雨にぬれて、何文字か読めなくなっちゃったとするよ。
1つのやり方は、「もう一回送って!」ってお願いすること。
でも、遠くにいる相手だと、届くまでにすごく時間がかかっちゃう。
もう1つのやり方は、最初から「ヒント」をたっぷり書いておいて、読めないところを、受け取った人が自分で直せるようにしておくことなんだよ。
より深い解説
定義
前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)は、送信するデータに、誤り訂正符号(リード・ソロモン符号、LDPC符号など)による冗長なビットを付けておき、受信側が、そのビットを使って、伝送中に起きた誤りを検出し、訂正する方式である。
ARQとの比較
| 前方誤り訂正(FEC) | 自動再送要求(ARQ) | |
|---|---|---|
| 誤りへの対応 | 受信側が自分で訂正する | 受信側が誤りを検出し、送信側に再送を要求する |
| 必要な情報 | 訂正できるだけの冗長なビット | 誤りを検出できるだけの情報(CRCなど) |
| 帰りの通信路 | 不要 | 必要 |
| 遅延 | 小さい(再送を待たない) | 再送の分だけ大きくなる |
| 帯域の効率 | 冗長なビットの分だけ、常に下がる | 誤りが少なければ、ほとんど下がらない |
| 誤りが多すぎるとき | 訂正しきれない | 再送で確実に届けられる |
使われる場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 衛星通信、宇宙探査機 | 往復の遅延が非常に大きく、再送を待てない |
| 放送(デジタルテレビ) | 受信者から送信者への帰りの通信路がない |
| 音声や映像のリアルタイム通信 | 再送を待つと間に合わない |
| 高速のイーサネット(100Gbit/s など)、光通信 | 高速な伝送で起きる誤りを、遅延なく訂正する |
| 無線LAN、携帯電話 | FECで訂正し、それでも残った誤りはARQで再送する(ハイブリッドARQ) |
誤り検出と誤り訂正
| 方式 | できること | 例 |
|---|---|---|
| パリティ | 1ビットの誤りの検出 | パリティビット |
| CRC | 誤りの検出 | イーサネットのFCS |
| ハミング符号 | 1ビットの誤りの訂正、2ビットの誤りの検出 | ECCメモリ |
| リード・ソロモン符号 | まとまった誤り(バースト誤り)の訂正 | CD、QRコード、デジタル放送 |