データグラム方式
パケット交換で、通信路を事前に確立せず、パケットの一つ一つに宛先を付けて、独立に転送する方式。あらかじめ両端を結ぶ仮想的な通信路を確立し、以降のパケットをすべてその経路で送る方式は、バーチャルサーキット方式という。
イマシルちゃんの解説
荷物を送るとき、2つのやり方があるんだ。
1つは、荷物の一つ一つに住所を書いて、そのつど、空いている道を選んで運んでもらうやり方。
もう1つは、最初に「この道を通って運ぶ」って決めておいて、それからの荷物は全部その道を通すやり方だよ。
インターネットのIPは、前のやり方なんだ。
より深い解説
2つの方式
| データグラム方式 | バーチャルサーキット方式 | |
|---|---|---|
| 通信路の確立 | しない(コネクションレス) | 通信の前に確立する(コネクション型) |
| 宛先の情報 | パケットごとに、完全な宛先アドレスを持つ | 確立した仮想回線の識別子(短い番号)を持つ |
| 経路の選択 | パケットごとに行う。同じ相手へのパケットでも、違う経路を通ることがある | 確立時に1回だけ行い、以降は同じ経路を通る |
| 到着の順番 | 入れ替わることがある | 送った順に届く |
| 障害への強さ | 経路が切れても、ほかの経路に回せる | 経路の途中が切れると、確立し直す必要がある |
| 例 | IP、UDP | X.25、フレームリレー、ATM、MPLS(ラベルによる経路) |
経路選択のオーバヘッドを確立時の1回だけにして小さくしているのは、バーチャルサーキット方式である。
コネクション型とコネクションレス型(プロトコルの性質)
| コネクション型 | コネクションレス型 | |
|---|---|---|
| 通信の前の手続き | 相手と接続を確立する(TCPの3ウェイハンドシェイクなど) | いきなりデータを送る |
| 信頼性 | 確認応答や再送で確保できる | 確保しない(上位の層に任せる) |
| 例 | TCP | UDP、IP |
TCPは、ネットワーク層がデータグラム方式(IP)でも、両端のホストの間でコネクションを確立し、信頼性のある通信を実現している。経路を固定するわけではないため、バーチャルサーキット方式とは区別される。
ネットワークの制御に関する、取り違えやすい記述
| 記述 | 正しい内容 |
|---|---|
| TCPのウィンドウサイズは固定 | 受信側の状態や輻輳制御によって変化する |
| フォワード誤り訂正は再送を要求する | 受信側が自分で訂正する。再送を要求するのはARQ |
| ウィンドウによるフロー制御 | 確認応答があった分だけウィンドウをずらし、応答を待たずに複数のデータをまとめて送る |