ルータID
OSPFやBGPで、それぞれのルータを一意に識別するための32ビットの値。IPv4アドレスの形式で表し、障害で落ちることのないループバックインタフェースのIPアドレスを使うことが多い。
イマシルちゃんの解説
OSPFのルータたちは、みんなで地図を作るときに、「この情報は誰からのもの?」を区別しないといけないんだ。
そのための「名札」がルータIDだよ。
名札は、途中で変わっちゃうと困るよね。
だから、ケーブルが抜けても消えない、ルータの中だけにある仮想のインタフェースの住所を、名札にすることが多いんだ!
より深い解説
定義
ルータIDは、OSPFのLSAの作成者や、BGPのピアを識別するために使う32ビットの識別子である。IPv4アドレスと同じ形式(例:10.255.0.1)で表すが、アドレスとして通信に使うためのものではなく、名前(ID)である。OSPFv3(IPv6)でも、ルータIDは32ビットのままである。
決まり方(一般的な実装)
| 優先順位 | ルータIDになるもの |
|---|---|
| 1 | 管理者が明示的に設定した値 |
| 2 | ループバックインタフェースのIPアドレスのうち、最も大きいもの |
| 3 | 動作している物理インタフェースのIPアドレスのうち、最も大きいもの |
物理インタフェースのアドレスをルータIDにすると、そのインタフェースが故障したり、アドレスを変更したりしたときに、ルータIDが変わり、OSPFの隣接関係の作り直しや、LSAの混乱の原因になる。そのため、ループバックインタフェースのアドレスを明示的にルータIDとして設定するのが一般的である。
ループバックインタフェース
ルータのループバックインタフェースは、ソフトウェア上に作る論理的なインタフェースで、物理的な回線に依存しないため、ダウンしない。127.0.0.1のループバックアドレスとは別のもので、通常のIPアドレス(多くは/32)を割り当てる。
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| ルータID | OSPF、BGPのルータの識別 |
| 管理用のアドレス | 機器への遠隔ログインや監視(どの回線経由でも到達できる) |
| BGPのピアの送信元 | iBGPでは、ループバックアドレス同士でピアを張れば、物理回線の1本が切れても、別の経路で接続が保たれる |
ループバックインタフェースのアドレスはOSPFで広告されるため、ネットワークのどこからでも到達できる。OSPFでは、ループバックインタフェースのコストは小さな値(1など)になる。
重複に注意
ルータIDがネットワークの中で重複すると、OSPFでは、2台のルータのLSAが同じものとして扱われ、経路の計算が乱れる。設計の段階で、ルータごとに重ならないループバックアドレスを割り当てておく。