MIMO
送受信で複数のアンテナを使い、電波の伝わり方の違いを利用する通信技術である。異なるデータを空間ストリームとして並行して運ぶ空間多重や、受信の信頼性を高める処理に利用する。
イマシルちゃんの解説
一度にもっと多くのデータを無線で運びたいとき、アンテナを複数使う方法があるよ。
その送受信の仕組みがMIMOなんだ。
電波は壁などで反射し、それぞれのアンテナまで少し違う伝わり方をするの。
この違いを手掛かりに、受信側は重なって届いた信号から別々のデータを取り出せるよ。
条件が整えば、一つの周波数帯域の中で複数の流れを並行して運べるんだ。
ただしアンテナを増やした分だけ、いつでも速度が増えるわけではないよ。
送受信する両側の対応や電波の状態によって、同時に分けて扱えるデータの数が変わるんだ。
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より深い解説
複数の信号を区別して受け取る
MIMOはMultiple Input Multiple Outputの略である。空間多重では、同じ時間・周波数の資源を使って異なるデータ系列を送り、伝搬路の違いから受信側で分離する。この独立したデータの流れを空間ストリームという。
最大ストリーム数は、送信側と受信側のアンテナ数・無線回路・対応規格などで制約される。たとえばAPが4ストリームに対応しても、端末が2ストリーム対応なら、その端末との通信で4ストリームを使うことはできない。電波の通り道が十分に区別できない場合なども、多重数や速度が下がる。
一台と通信するか複数台と通信するか
| 方式 | 空間ストリームの使い方 | 無線LANでの例 |
|---|---|---|
| SU-MIMO | 一度の送信で一台の端末へ複数の流れを送る | IEEE 802.11nなど |
| MU-MIMO | 異なる端末へ割り当てた流れを同時に扱う | IEEE 802.11acの下り、802.11axの上り・下りなど |
MUはMulti Userを表す。下りではAPが複数端末向けの信号を同時に送信し、それぞれの端末が自分の信号を取り出す。上りでは複数端末の送信をAPが調整し、同時に受信して分離する。両端の対応と電波条件が必要で、無制限の台数を同時に通信させるものではない。
周波数を広げる工夫との違い
MIMOによる空間多重は、アンテナと電波の伝わり方を使う。複数のチャネルを束ねて帯域幅を広げるチャネルボンディングや、周波数資源を端末ごとに分割するOFDMAとは仕組みが異なる。これらは条件に応じて組み合わせられる。
また、アンテナごとの信号を調整して受信しやすくするビームフォーミングは、空間ストリームの数を増やすこととは目的が異なる。アンテナの本数、空間ストリーム数、同時利用できる端末数を同じ数として扱わない。