クラウドサービスの導入検討
オンプレミスの機器(プロキシサーバなど)からクラウドサービスへ移行するときに、機能や費用だけでなく、通信の経路、ネットワークの設定の変更点、既存のサービスへの影響を事前に洗い出し、トライアルで検証すること。
イマシルちゃんの解説
新しい便利なクラウドサービスを見つけても、「よし、明日から全部これ!」ってすぐ切り替えると、思わぬところで困っちゃうんだ。
通信がどこを通るようになるのか、今の設定のどこを変えないといけないのか、ほかのサービスに影響はないか……。
こういうことを、机の上でしっかり考えてから、まずはお試し期間で確かめる。
午後の問題では、この「導入前に何を考えるべきか」がよく問われるんだよ!
より深い解説
検討の観点
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 機能 | 必要な機能があるか。既存の機器の機能(ブロックの設定など)を移せるか |
| 通信の経路 | 導入後、各端末の通信がどこを経由するようになるか。遠回りにならないか |
| ネットワークの設定 | ファイアウォールの許可ルール、端末の設定(プロキシ、証明書、エージェント)の変更点 |
| 外部サービスへの影響 | 送信元のIPアドレスが変わることで、接続を制限している外部のサービスに影響しないか |
| ログと監査 | 必要なログが、どこで、どの形で取得できるか |
| 可用性と移行 | サービスが止まったときの影響、段階的に移行できるか、元に戻せるか |
通信の経路を図で追う
クラウドのセキュリティサービス(SWGなど)を導入すると、端末からの通信は、いったんインターネット上のサービスを経由してから宛先に向かう。導入前と導入後で、通信の経路を構成図の上でたどり、次の点を確認する。
| 確認すること | 例 |
|---|---|
| 送信元のアドレスの変化 | 宛先から見た送信元が、自社の出口のアドレスから、サービスのアドレスに変わる。送信元のアドレスで接続を制限しているSaaSは、許可するアドレスをサービス側のアドレスに変更する |
| 社内宛ての通信 | 社内のサーバへの通信まで、インターネット上のサービスを経由させると、遠回りになり、ファイアウォールや回線の負荷、遅延が増える。社内の宛先は直接接続にする |
| 社外の端末からの社内の利用 | テレワークのPCから社内のサーバに接続する経路を用意する(リバースプロキシなど) |
ネットワークの設定の変更点
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| 許可ルールの追加 | 端末からクラウドサービスへの通信(TCP/443など)を許可する |
| 許可ルールの削除 | 使わなくなる機器(フォワードプロキシなど)のための許可ルールを削除する。不要なルールを残すと、攻撃の入口になる |
| 端末の設定 | エージェントソフトの導入、HTTPSの検査のためのルート証明書のインストール |
ログの確認の流れを考える
セキュリティの事故が起きたときに、誰の端末かを特定できるように、ログをつなげて追えるようにしておく。
| 段階 | 使うログ |
|---|---|
| 不正な通信の発見 | ファイアウォールやSWGの通信ログ(送信元のIPアドレス、時刻) |
| 端末の特定 | DHCPのリースログ(その時刻に、そのIPアドレスを使っていた端末) |
| 利用者の特定 | 認証のログ |
複数の機器のログを時系列で突き合わせるため、すべての機器の時刻をNTPで同期しておく。
トライアルで確かめる
多くのクラウドサービスには、試用期間がある。机上で検討した内容を、実際の環境で確かめ、業務への影響を見ながら設定(ブロックの基準など)を調整し、移行の手順を固めてから本格的に導入する。
午後での問われ方
| 問われ方 | 答え方のポイント |
|---|---|
| 導入後の通信の経路 | 構成図の記号を使って、端末から宛先までの順をたどる |
| 追加・削除する許可ルール | 送信元、宛先、プロトコルとポート番号を、通信を始める向きで答える |
| 外部のサービスの設定変更 | 送信元のアドレスが変わることへの対応 |
| 直接接続にする利点 | 経路の短縮による、機器の負荷の軽減、応答時間の短縮 |