アーランB式
加わる呼量と回線数から、即時式の回線群の呼損率を求める式。この式を計算した結果をまとめた表を、即時式完全群負荷表(アーランB表)という。
イマシルちゃんの解説
回線を何本用意すれば、つながらない電話を10回に1回までにおさえられるかな?
これを計算するのがアーランB式なんだ。
ただ、式はちょっと複雑だから、試験ではあらかじめ計算した結果を表にしたものが渡されることが多いよ。
呼量を計算して、表から回線数を読み取るだけでOK!
表の読み方さえ覚えれば、怖くないんだ。
より深い解説
定義
アーランB式は、次の前提のもとで、回線数 S、加わる呼量 a [アーラン] の回線群の呼損率 B を与える式である。
a^S / S!
B(S, a) = ─────────────────────
Σ(k=0..S) a^k / k!
| 前提 | 内容 |
|---|---|
| 呼の発生 | ランダム(ポアソン分布に従う) |
| あふれた呼 | 待たせずにすぐ失われる(即時式、再発信しない) |
| 回線群 | どの呼も、空いていればどの回線でも使える(完全群) |
この3つの前提がそろっているので、アーランB式の表は「即時式完全群負荷表」と呼ばれる。
表の読み方
即時式完全群負荷表は、回線数と呼損率の組み合わせごとに、その回線数でその呼損率に収まる最大の呼量を示す。
| 回線数\呼損率 | 0.01 | 0.05 | 0.1 |
|---|---|---|---|
| 1 | 0.010 | 0.053 | 0.111 |
| 2 | 0.153 | 0.381 | 0.595 |
| 3 | 0.455 | 0.899 | 1.271 |
| 4 | 0.869 | 1.525 | 2.045 |
| 5 | 1.361 | 2.218 | 2.881 |
必要な回線数は、目標の呼損率の列を上から見ていき、表の値が求めた呼量以上になった最初の行で求められる。
例:呼量1.5アーラン、呼損率0.05以下にしたい場合
- 回線数3:0.899 → 1.5に足りない
- 回線数4:1.525 → 1.5以上なので、4回線
回線数を1本ずつ計算する方法(漸化式)
アーランB式は、回線数を1本ずつ増やしながら、次の漸化式で計算できる。大きな階乗を扱わずに済むので、プログラムで計算するときに便利である。
B(0, a) = 1
B(S, a) = a × B(S−1, a) ÷ (S + a × B(S−1, a))
例:a = 2 アーランのとき
| 回線数 | 呼損率 |
|---|---|
| 1 | 2 × 1 ÷ (1 + 2) ≒ 0.667 |
| 2 | 2 × 0.667 ÷ (2 + 1.333) = 0.4 |
| 3 | 2 × 0.4 ÷ (3 + 0.8) ≒ 0.211 |
| 4 | 2 × 0.211 ÷ (4 + 0.421) ≒ 0.095 |
呼損率0.1以下にするには4回線が必要とわかり、表を使った読み取りと一致する。
表から読み取れる性質
- 同じ回線数なら、許容する呼損率を大きくするほど、扱える呼量は増える
- 回線数が多いほど、1回線あたりで扱える呼量(回線の使用率)が高くなる。たとえば呼損率0.1の列では、3回線で1.271(1回線あたり約0.42)、5回線で2.881(1回線あたり約0.58)である
2つ目の性質は、回線をまとめて大きな群にしたほうが効率がよいこと(大群化効果)を示している。
アーランC式との違い
| アーランB式 | アーランC式 | |
|---|---|---|
| あふれた呼 | すぐ失われる(即時式) | 待たされる(待時式) |
| 求めるもの | 呼損率 | 待たされる確率 |
| 使われる場面 | 電話網、中継回線の設計 | コールセンターのオペレータ数の設計 |