呼損率
回線がすべてふさがっていたために接続できなかった呼(呼損)の、発生したすべての呼に対する割合。回線数を増やすほど小さくなる。
イマシルちゃんの解説
電話をかけたのに「ただいま回線が混み合っております」って言われたこと、あるかな?
用意した回線が全部使われていて、つながらなかった状態だね。これを呼損っていうんだ。
かけた電話のうち、何回に1回つながらないかを表すのが呼損率だよ。
呼損率0.1なら、10回に1回はつながらないってことだね。
回線を増やせば呼損率は下がるけど、そのぶんお金がかかる。
ちょうどいい回線数を決めるための、大事な目安なんだ!
より深い解説
定義
呼損率は、ある回線群に加わった呼のうち、すべての回線が使用中であったために接続できずに失われた呼(呼損)の割合である。
呼損率 = 呼損となった呼の数 ÷ 発生した呼の総数
呼損率は、電話網やコールセンターの回線設計で「どの程度のつながりにくさまで許容するか」を表すサービス品質の目標値(GoS:Grade of Service)として使われる。
呼損率を決める要素
呼損率は、次の2つで決まる。
| 要素 | 呼損率への影響 |
|---|---|
| 加わる呼量(アーラン) | 多いほど呼損率は大きくなる |
| 回線数 | 多いほど呼損率は小さくなる |
即時式(あふれた呼を待たせずに捨てる方式)で、呼がランダムに発生する場合、この関係はアーランB式で表される。
回線数を求める手順
試験では、呼量と呼損率の対応表(即時式完全群負荷表)を使って、必要な回線数を求める問題がよく出る。
- 呼量を求める
呼量[アーラン] = 1時間当たりの呼数 × 平均保留時間[秒] ÷ 3,600
- 表を読む
目標の呼損率の列で、表の値(その回線数で扱える呼量)が、求めた呼量以上になる最小の回線数を探す
例:1時間に90回の呼があり、平均保留時間が120秒、目標の呼損率が0.1の場合
- 呼量 = 90 × 120 ÷ 3,600 = 3 アーラン
- 表で3アーラン以上を扱える最小の回線数を選ぶ
表の値は「この回線数で、この呼損率に収まる最大の呼量」を意味するので、求めた呼量を下回る行を選んでしまうと、呼損率が目標を超えてしまう。
平均保留時間
平均保留時間は、1つの呼が回線を占有している時間の平均である。電話であれば、通話時間に、呼び出しや接続処理の時間を含めることもある。呼量の計算では、呼数の時間単位(1時間当たり)と、平均保留時間の単位(秒、分)をそろえることが最も大切である。
呼損率と回線効率のトレードオフ
| 呼損率を小さくすると | 呼損率を大きく許容すると |
|---|---|
| つながりやすくなる | つながりにくくなる |
| 必要な回線数が増える | 回線数を減らせる |
| 1回線あたりの使用率は下がる | 1回線あたりの使用率は上がる |
また、回線の数が多い大きな回線群ほど、同じ呼損率でも1回線あたりの使用率を高くできる。少ない回線を多くの拠点に分けて持つより、まとめて共有したほうが効率がよい(大群化効果)。
呼損と待ち
| 方式 | あふれた呼の扱い | 評価の指標 | 使う式 |
|---|---|---|---|
| 即時式(損失式) | すぐに捨てる | 呼損率 | アーランB式 |
| 待時式 | 回線が空くまで待たせる | 待ち合わせ率、平均待ち時間 | アーランC式 |
電話網のように「つながらなければ切れる」方式は即時式、コールセンターのように「順番にお待ちください」と待たせる方式は待時式である。