トンネルモード

読み:とんねるもーど / 英語表記:tunnel mode

IPsecの動作モードの1つ。元のIPパケットをヘッダーも含めて丸ごと保護し、新しいIPヘッダーを付けて送る。拠点間VPNで使われる。これに対し、元のIPヘッダーを残してデータ部だけを保護するのがトランスポートモードである。

イマシルちゃんの解説

トンネルモードは、元の手紙を封筒ごと、もっと大きな封筒に入れて送るやり方なんだ。

外側の大きな封筒には、「本社のVPN装置から、支社のVPN装置へ」って書く。
中の封筒に書いてあった、本当の差出人と宛先は、外からは見えなくなるんだよ。
本社と支社をつなぐ、秘密のトンネルの完成だね!

より深い解説

定義

トンネルモードは、IPsecで保護する対象を、元のIPパケット全体(元のIPヘッダーとデータ)とし、その外側に新しいIPヘッダーを付けて送るモードである。新しいIPヘッダーの送信元と宛先は、トンネルの両端(VPN装置など)のアドレスになる。

2つのモードの比較

トランスポートモードトンネルモード
保護する範囲元のIPパケットのデータ部元のIPパケット全体
元のIPヘッダーそのまま使う(保護されない)新しいIPヘッダーの内側に入れる
外から見える宛先通信する端末のIPアドレストンネルの端(VPN装置)のIPアドレス
主な用途端末同士の通信(エンドツーエンド)VPN装置同士(拠点間VPN)、リモートアクセスVPN
ヘッダーの増加小さい大きい(IPヘッダーがもう1つ付く)

パケットの形(ESPの場合)

トランスポートモード

| 元のIPヘッダー | ESPヘッダー | TCP/UDP+データ(暗号化) | ESPトレーラ | 認証データ |

トンネルモード

| 新しいIPヘッダー | ESPヘッダー | 元のIPヘッダー+TCP/UDP+データ(暗号化) | ESPトレーラ | 認証データ |

ESPのトンネルモードでは、元のIPヘッダーを含めて暗号化されるため、拠点の内部で使っているIPアドレス(プライベートIPアドレスなど)や、どの端末同士が通信しているかを、インターネット上の第三者から隠せる。

拠点間VPNの例

本社のPC(10.1.0.5) → 本社のVPN装置 ═══ インターネット ═══ 支社のVPN装置 → 支社のサーバ(10.2.0.8)
  1. 本社のPCは、支社のサーバ宛てに、ふつうのIPパケットを送る(宛先 10.2.0.8)
  2. 本社のVPN装置は、そのパケット全体を暗号化し、新しいIPヘッダー(送信元:本社のVPN装置、宛先:支社のVPN装置)を付けて送る
  3. 支社のVPN装置は、外側のヘッダーを外して復号し、元のパケットを支社のサーバに届ける

PCやサーバは、IPsecを意識する必要がない。

MTUへの影響

トンネルモードでは、新しいIPヘッダーやESPのヘッダー、トレーラが加わるため、パケットが大きくなる。元のパケットが回線のMTUぎりぎりの大きさだと、分割(フラグメント)が必要になったり、通信できなくなったりする。そのため、VPN装置では、TCPの最大セグメント長(MSS)を小さく調整する設定がよく使われる。

実際の試験ではここに出る!

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