EIGRP
シスコシステムズ社が開発した、AS内で使うルーティングプロトコル(IGP)。距離ベクトル型を基本に、リンクステート型の長所を取り入れた拡張距離ベクトル型(ハイブリッド型)で、帯域と遅延などから計算した複合的なメトリックを使う。
イマシルちゃんの解説
RIPみたいな「伝言ゲーム」方式は、シンプルだけど、遅いし、ぐるぐる回る道に迷い込むこともあったよね。
OSPFみたいな「地図を共有する」方式は、速くて正確だけど、ルータの頭(CPUやメモリ)をたくさん使う。
EIGRPは、その「いいとこ取り」を目指したプロトコルなんだ。
基本は伝言ゲームだけど、変化があったときだけ素早く知らせて、迷わないための工夫もしてあるんだよ!
より深い解説
定義
EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)は、シスコシステムズ社が、自社の距離ベクトル型プロトコルIGRPを拡張して開発したIGPである。長くシスコ社の独自プロトコルだったが、2016年にRFC 7868として仕様の一部が公開された。IPヘッダーのプロトコル番号は88で、IPの上に直接載る。
特徴
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 方式 | 距離ベクトル型を基本とし、リンクステート型の長所を取り入れた拡張距離ベクトル型 |
| メトリック | 帯域と遅延を基本に(設定により信頼性や負荷も)組み合わせた複合メトリック |
| 更新 | 定期的に全体を送らず、変化があったときに差分だけを送る(部分的・限定的な更新) |
| ループ防止 | DUAL(Diffusing Update Algorithm)で、ループのない経路を計算する |
| 高速な切り替え | ループしないことが保証された予備の経路(フィージブルサクセサ)をあらかじめ持ち、障害時にすぐ切り替える |
| VLSM | 対応(クラスレス) |
| 隣接関係 | Helloパケットで隣接ルータを確認する |
| マルチキャスト | 224.0.0.10 |
主なIGPとの比較
| RIP | EIGRP | OSPF | |
|---|---|---|---|
| 方式 | 距離ベクトル型 | 拡張距離ベクトル型 | リンクステート型 |
| メトリック | ホップ数 | 帯域、遅延など | コスト(帯域から計算) |
| 更新 | 30秒ごとに全体 | 変化時に差分 | 変化時にLSA |
| 収束 | 遅い | 速い | 速い |
| 標準化 | RFC | 長く独自方式(後にRFCで公開) | RFC |
BGPとの区別
| 説明 | 当てはまるもの |
|---|---|
| AS内で使い、距離ベクトルとリンクステートの両方の考え方を取り入れたプロトコル | EIGRP |
| AS間を接続するプロトコルで、経路が変化したときだけ差分を送る | BGP-4 |
| ネットワークをエリアに分割し、エリア間をバックボーンで結ぶ | OSPF |
| ルータの台数で最短経路を決め、大規模なネットワークに向かない | RIP |
BGP-4もEIGRPも「変化したときに差分を送る」点は共通しているが、BGP-4はAS間、EIGRPはAS内で使う点が異なる。