ブロードキャストアドレス

読み:ぶろーどきゃすとあどれす / 英語表記:broadcast address

ネットワーク内のすべての機器を宛先とするアドレス。IPv4では、ホスト部のビットをすべて1にしたアドレスで表す。

イマシルちゃんの解説

「みなさーん、聞いてくださーい!」って、部屋にいる全員に呼びかけるのがブロードキャストなんだ。

たとえば192.168.1.0/24のネットワークなら、最後の数字を一番大きい255にした
192.168.1.255が、全員への呼びかけ用の住所になるんだよ。
だから、この住所は誰か1人のパソコンに付けることはできないんだ!

より深い解説

定義

ブロードキャストアドレスは、同じネットワーク(ブロードキャストドメイン)に属するすべてのホストを宛先とするアドレスである。IPv4では、ホスト部のビットをすべて1にしたアドレスがブロードキャストアドレスになる。

逆に、ホスト部のビットをすべて0にしたアドレスは、ネットワークアドレス(ネットワークそのものを表すアドレス)である。この2つは、どちらもホストに割り当てることはできない。

求め方

ブロードキャストアドレス = IPアドレス OR (サブネットマスクのビット反転)

例:172.16.10.20/20 の場合

項目値
サブネットマスク255.255.240.0
ネットワークアドレス172.16.0.0
ブロードキャストアドレス172.16.15.255
ホストに使える範囲172.16.0.1 ~ 172.16.15.254

第3オクテットに注目すると、マスクが240(11110000)なので、ホスト部は下位4ビットである。10(00001010)のホスト部を0にすると0、1にすると15(00001111)になる。

末尾が255でもホストに使える場合

ブロードキャストアドレスかどうかは、末尾の値ではなく、プレフィックス長で決まる。

アドレスホストに使えるか理由
192.168.1.255/24使えないホスト部(8ビット)がすべて1
172.16.10.255/16使えるホスト部(16ビット)は 00001010.11111111 で、すべて1ではない
10.0.0.255/8使えるホスト部(24ビット)がすべて1ではない
10.255.255.255/8使えないホスト部がすべて1

ブロードキャストの種類

種類アドレス届く範囲
限定ブロードキャスト255.255.255.255送信元と同じネットワークの中だけ。ルータは転送しない
有向ブロードキャストネットワーク部+ホスト部すべて1(例:192.168.1.255)指定したネットワークの全員。ルータを越えて特定のネットワークに送れる

有向ブロードキャストは、離れたネットワークの全ホストに大量の応答を返させる攻撃(Smurf攻撃)に悪用されたため、現在のルータでは既定で転送しない設定になっている。

MACアドレスのブロードキャスト

イーサネットでは、宛先MACアドレス FF-FF-FF-FF-FF-FF(48ビットすべて1)がブロードキャストである。ARP要求やDHCPの最初の要求などで使われる。スイッチは、ブロードキャストのフレームを、受信したポート以外の同じVLANのすべてのポートに転送する。

IPv6にはない

IPv6には、ブロードキャストアドレスが存在しない。全員への通知が必要な場面では、全ノードマルチキャストアドレス(ff02::1)を使う。ブロードキャストは、関係のない機器にも処理の負担をかけるため、IPv6では必要な機器だけが受け取るマルチキャストに置き換えられた。

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